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北京出張で思ったこと [旅をしている]

以前、三月に一週間ほど北京に出張したことを書きましたが、この出張時に、北京に住んでいる、同行した同僚の友人である、中国の大学の先生(日本人)から、今の中国の状況について、そして中国人の社会意識やメンタリティについて色々な話を伺うことができました。

近年、中国では貧富の差が極端に拡大しているのですが、ここ十年、二十年近くの間に極貧層から富裕層まで、あらゆる階層において年収が三倍程度に増えているので、所得格差は拡がっているものの、皆、以前よりも生活水準は確実に良くなっているため、大きな不満の声とはなっていないのではとのことでした。ただ中国の健康保険や年金といった社会保障制度は、とても貧弱で、これに頼ることができない中、人々は自分たちでこれらを賄わなくてはならず、自分の生活を守るのに精いっぱいで、他人のことをかまっている余裕はなく、どうしても将来への不安、老後の心配からの行動が、外からみると自分勝手で拝金主義のように見えてしまうのではないかとの意見でした。

今回の出張時では、多くの現地直傭の中国人社員の声を聞く機会を得たのですが、確かに、彼らが一様に希望するのは(勤務先会社の)福利厚生制度の充実です。(国や会社に)自分たちの生活を守ってもらいたいとの切実な思いがその背景にあるのでしょう。日本、そして日本で働く日本人にとっては当たり前のこと(財政的には破綻しかけていますが)が、彼らにとっては当たり前ではないのです。こうした理解なしに、今の中国人のメンタリティを(例えば拝金主義などと)決めつけるのは少々乱暴すぎるかと思います。彼らも私たちと同様、家族の(将来に亘っての)安定した生活を切に望んでいるのです。

例えば中国人と日本人の学生の大きな違いに起業意欲が挙げられますが(例えば北京大学では学生の三割以上が、学生の間に起業します)、これも国や会社に頼れない中、なんとかして自分の生活を良くしようとする中国人学生の意識の表れと考えれば理解できるかと思います。中国における親の子供への教育熱は凄まじいものがあるとも聞きます。なんとかして子供には幸せになってほしいとの熱望にも似た意識はどの世界でも一緒でしょうが、頼れるものがない、(少々言いすぎですが)自分の国を信用することができないという中で、中国人は生きているのです。逆に今の日本の若者は幸せですね。ぬるま湯との批判はあるかもしれませんが、一億総中流社会の中で、まだ国や会社を信じることができるのですから。

そんなことを、私はこの出張中に考えていました。

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こちらは中国出張時にホテル近くのスーパーで購入したナッツの袋(表と裏のパッケージ)。日本の無印良品のデザインに酷似しています。日本語が変なのには笑ってしまいますが、多分、中国人に日本製に見えればそれで良いくらいの意識からなのでしょう。

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こちらは北京市内を走るバスの車内からの風景。今回、地下鉄のみならずバスにも乗れたのは貴重な体験でした。


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