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マリラ・ジョナスのCDボックスセットが発売されました [音楽を聴いている]

今週はカナダ、モントリオールに出張しているので、本来でしたらモントリオールの話題を記事にすべきところなのですが、ご容赦ください。というのも、今日、何気なく出張先のオフィスで、仕事の合間にネットを見ていたところ、これまで、何回もブログで記事にした、私がもっとも好きなポーランド出身の女性ピアニスト、マリラ・ジョナス(Maryla Jonas 1911~1959年)の全ての録音を収めたCDボックスセットが発売された事を知ったからです。これは私にとっては、十年に一度あるかどうか位の大ニュースです。

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こちらが今回発売された「The Maryla Jonas Story - Her Complete Piano Recordings Box set」

なんだか夢を見ているようです。マリラ・ジョナスは殆ど知られていないピアニストで、彼女を録音を収めたCDはこれまでPearlから出た一枚だけ、それも現在はとても入手が困難となっています。私はこれまでE-bayで、こつこつ彼女のSP、LPを集めていたのですが、今回、こんな形で発売されるなんて、とても信じられません。

前にも書きましたが、彼女の演奏は軽く聞き流すことができるようなものではなく、魂の深いところから、音楽が湧き出ている上、なんともいえない澄み切った抒情感のようなものも感じられるものです。時空を歪めさせるというか、「時間」の感覚をなくさせるような、そんな不思議な魅力が、彼女の演奏にはあります。その秘密は彼女のテンポの設定と、そのゆらぎにあると思うのですが、一度、聴き始めると、そんな屁理屈なんてどうでもよくなって、彼女の演奏にただただ魅せられてしまいます。

彼女の48年の短い生涯はまさに波乱にとんだものです。TowerRecords Onlineにおける紹介文を以下、引用しますと、

マリラ・ジョナスは、1911年5月、ワルシャワに生まれました。天才的才能を持ったピアニストとして、ジョナスは9歳の時ワルシャワでデビューし、パデレフスキの生徒となりました。彼女は1922年に国際ショパン賞を、翌年にはウィーンのベートーヴェン賞を受賞し、1926年からは全ヨーロッパでリサイタルを開くようになりました。しかし1939年、ナチス・ドイツのポーランド侵攻によって、演奏活動の中断を余儀なくされ、彼女は強制収容所に収監。数週間後、彼女は自分の演奏を聴いたことがあるドイツ人高官の手助けを得て脱走、徒歩で数か月かけてベルリンのブラジル大使館まで325マイルを逃亡。これは後に「奇跡」と伝えられています。そこから、ジョナスはリスボン経由でリオデジャネイロへ亡命しました。肉体的・精神的に疲弊したジョナスは演奏活動をやめ、何カ月もサナトリウムで過ごします。夫、両親、兄弟がナチスに殺されたこともその状況に拍車をかけました。しかし同郷のアルトゥール・ルービンシュタインがジョナスにピアノ演奏への復帰を促したと言われ、1946年2月25日、ニューヨーク、カーネギー・ホールでアメリカ・デビューして成功を収め、ピアニストとして復活したのです。その見事な演奏は、特にニューヨーク・タイムズ紙のオリン・ダウンズや、作曲家でニューヨーク・ヘラルド・トリビューン紙のヴァージル・トムソンといった名うての評論家たちを夢中にさせたのでした。 その約5年後、ジョナスはシューマン「謝肉祭」を演奏中に体調を崩し、舞台袖に戻ったところで倒れました。すぐに回復し、ステージに戻ったジョナスは予定された演目を弾き終えましたが、再び演奏活動から離れ、結局1956年12月のカーネギー・ホールでのリサイタルが、最後の演奏となりました。1959年7月3日、ジョナスは極めて稀な血液の病気で48歳の生涯を閉じました。
(以上、TowerRecords Online HP「注目アイテム紹介」http://tower.jp/article/feature_item/2017/06/23/1106掲載の文章からの引用です)

というものです。

このCDボックスセットを一人でも多くの方に聞いてもらいたいと思います。海外では既に発売されていますが、日本のTowerRecords Onlineの発売予定日は8月4日。CD4枚組で2,216円(2017年6月29日現在)という安さです。収録曲は以下の通り、私の知る限りの、彼女の全ての録音が収められています。さっそく注文したのですが、届くのが本当に楽しみです。

ディスク:1
1. マズルカ 変ロ長調Op. posth. no. 2
2. マズルカ 第49番 ヘ短調Op.68 - 4
3. マズルカ 第43番 ト短調Op.67 - 2
4. マズルカ 第19番 ロ短調Op.30 - 2
5. 夜想曲 ホ短調Op.72 - 1
6. 夜想曲 嬰ハ短調Op. posth
7. ワルツ 第11番 変ト長調Op.70 - 1
8. ワルツ 第13番 変ニ長調Op.70 - 3
9. ワルツ 第9番 変ロ長調Op.71 - 2
10. マズルカ 第48番 ヘ長調Op.68 - 3
11. マズルカ ト長調Op. posth. no. 3
12. マズルカ 第35番 ハ短調Op.56 - 3
13. マズルカ 第27番 ホ短調Op.41 - 2
14. マズルカ 第29番 変イ長調Op.41 - 4
15. マズルカ 第18番 ハ短調Op.30 - 1
16. マズルカ 第16番 変イ長調Op.24 - 3
17. マズルカ 第50番 イ短調「ノートル・タン」Op. posth
18. マズルカ 第21番 嬰ハ短調Op.30 - 4

ディスク:2
1. マズルカ 第11番 ホ短調Op.17 - 2
2. マズルカ 第14番 ト短調Op.24 - 1
3. マズルカ 第13番 イ短調Op.17 - 4
4. マズルカ 第12番 変イ長調Op.17 - 4
5. マズルカ 第36番 イ短調Op.59 - 1
6. マズルカ 第22番 嬰ト短調Op.33 - 1
7. マズルカ 第45番 イ短調Op.67 - 4
8. マズルカ 第41番 嬰ハ短調Op.63 - 3
9. マズルカ 第9番 ハ長調Op.7 - 5
10. 夜想曲 第2番 変ホ長調Op.9 - 2
11. 夜想曲 第9番 ロ長調Op.32 - 1
12. 夜想曲 第6番 ト短調Op.15 - 3
13. 夜想曲 第1番 変ロ短調Op.9 - 1
14. 夜想曲 第15番 ヘ短調Op.55 - 1

ディスク:3
1. ポロネーズ 第1番 嬰ハ短調Op.26 - 1
2. 練習曲 第6番 変ホ短調Op.10 - 6
3. 練習曲 第2番 ヘ短調Op.25 - 2
4. ワルツ 第10番 ロ短調Op.69 - 2
5. 子守歌 変ニ長調Op.57
6. 即興曲 第1番 変イ長調Op.29
7. ワルツ 第7番 嬰ハ短調Op.64 - 2

ディスク:4
1. ヘンデル:『組曲 ト短調 HWV.432』より パッサカリア
2. ドゥシーク(ドゥセック):コンソレーション Op.62
3. J.W.バッハ:カプリッチョ ニ短調
4. モーツァルト:『ピアノ・ソナタ第9番イ長調K.311』より 「トルコ行進曲」
5. シューベルト(リスト編):セレナード S.560
6. ヴァージル・トムソン:『10の練習曲』より「For the Weaker Fingers "Music Box Lullaby"」
7. メンデルスゾーン:無言歌第5巻第1曲ト長調Op.62 - 1「5月のそよ風」
8. メンデルスゾーン:無言歌第8巻第4曲ト短調Op.102 - 4
9. ニコラウス:オルゴール
10. カゼッラ:『子どものための11の小品』より「ボレロ」「ギャロップ」
11. ロッシ:アンダンティーノ ト長調
12. ラモー:『新クラヴサン組曲集』より 「メヌエット ト長調 と ト短調」
13. シューベルト:即興曲 第4番D.899 - 3
(TowerRecords Onlineでは「D.899-4」となっていますが、これは誤りです)
14. シューベルト:『36の独創的舞曲D.365』と『34の感傷的なワルツD.779』より抜粋
15. シューマン:子供の情景 Op.15


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