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自宅近くのショッピングモール内の喫茶店に行ってみたところ… [音楽を聴いている]

何度か記事でも書いていますが、私は多発性筋炎を患っており、現在も投薬による治療を受けています。昨日は区役所主催の(皮膚筋炎・多発性筋炎患者を対象とした)難病講演会が開催されたので、私は有給休暇を取得、家内と共に本講演会に参加しました。その後、買い物をすべく近くのショッピングモールに移動、まずはモール内の喫茶店でお茶を飲むことにしました。

入ったお店は上島珈琲店(トレッサ横浜店)です。今年の4月にオープンしたとのことで私にとっては初めて入るお店となります。スタイルはセルフ式で、手渡されたコーヒーとケーキが載ったトレイを自ら運んで空いていた四人掛けの席に座り、家内とコーヒーを飲みながら周りを見渡すと、店内が思ったよりも、シックで落ち着いた雰囲気であることに気付かされました。壁には私も初めてみるようなジャズのレコードジャケットが何枚か飾られており、そして店内の両壁に備え付けられたスピーカー(JBL4312M、2組)からは本格的なジャズが会話の邪魔にならない程度ながらも、比較的大きな音量で流れています。

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こちらが上島珈琲店(トレッサ横浜店)の外観

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そしてこちらが店内の様子。

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こちらも店内の様子(奥側)。ジャズレコードのディスプレイ、そして天井近くに備え付けられたスピーカー、JBL4312Mも確認できるかと思いますこれら三枚の写真は上島珈琲店(トレッサ横浜店)のインテリアデザイン(空間設計)・内装工事・照明関連業務を担当されたパルコスペースシステムズのHP(http://www.parco-space.co.jp/works/detail/post-109.php)に掲載されているものです。何か問題等ございましたら御連絡下さい。すぐに削除致します。尚、念のため、申し沿えますと、私は上島珈琲店、パルコスペースシステムズの関係者ではありません。

思わず、スマートフォンを取りだし、アプリ(Shazam)でかかっている音楽を検索してみると、この作品以外、まったく他に録音がないというアルト・サックス・プレーヤー、Earl Anderzaのリーダー作「Outa Sight」から「Outa Sight」、そして次にかかったのは「Miles Davis & The Modern Jazz Giants」の「The Man I Love」でした。私は「まさか、こんなところにジャズ喫茶店があるなんて!」という驚きと嬉しさで胸が一杯になりました。

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Earl Anderza「Outa Sight」

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そしてこちらが「Miles Davis & The Modern Jazz Giants」

皆さんもご存じの通り、老舗のジャズ喫茶店は客の減少、店主の高齢化、店の老朽化等が重なり、次々と閉店しているのが実情です。そんな中、上島珈琲店は横浜市内で10店舗、全国では100店舗以上あるようです。これらのお店で本格的なジャズが、それなりのスピーカーから流れているなんて、なんだか夢のようです。さすがにリクエストには応えてくれないでしょうが(苦笑)、私にとっては、大切な、自宅からもっとも近いジャズ喫茶店です。


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自宅最寄駅近くのバーのマスターから、とても素敵な弾き語りの動画を教えてもらいました [音楽を聴いている]

昨夜、それももう、かなり深夜になって、久しぶりに自宅近くの、音楽と映画が大好きなマスターがいるバーを訪れてみました。その目的は、ドナルド・フェイゲン好きのマスターが、前回の記事で紹介したエヂ・モッタ(ED MOTTA 1971年~)が2013年に発表した「AOR」のことを知らないようだったら、是非、一度聴いてもらいたかった(殆ど、私のおせっかい…)からです。

運よく他にお客がいない中、マスターと二人でエヂ・モッタを聴きながら、のんびりと音楽談義に花を咲かせました(マスター、無理やり付き合わせてしまってごめんなさい)。ドナルド・フェイゲン(Donald Fagen 1948年~)を聴いてはその音の素晴らしさに改めて驚嘆したり、同様に音が素晴らしい事でマスターの印象に特に残っているヒューマンリーグ(The Human League)の「ヒューマン(Human)」を聴いたりしているうちに、いつの間にか話題はノーラ・ニーロ(Laura Nyro 1947~1997年)の「ニューヨーク・テンダベリー(New York Tendaberry)」やエヴァ・キャシディ(Eva Cassidy 1963 ~1996年)のブルーズアレイでのライヴ録音といった、弾き語りの歌の素晴らしさの話に移りました。

日本で、こうした弾き語りで、ノーラ・ニーロやエヴァ・キャシディのような、聴き手の魂を揺さぶることができるようなミュージシャンって、果たしているかしらと話していたところ、すぐに挙がった名前が玉置浩二(たまき こうじ 1958年~)です。するとマスターが、Youtubeに玉置浩二の素晴らしい弾き語りの動画がアップされていると教えてくれました。

早速、見せて貰ったのですが、これは素晴らしかったです、一つはテレビドラマの一シーンでの「いっそセレナーデ」、そしてもう一つは音楽番組上で、即興での井上陽水との共演による「夏の終わりのハーモニー」です。是非一度、観てみて下さい。何とも心に沁みいる演奏です。


こんな風に歌われたら、殆どの女性は一遍で恋に落ちてしまうのではないかと思わせます。


井上陽水の歌も見事で、この演奏を真近で聴くことができたタモリが羨ましいッス。


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つい最近になって、エヂ・モッタの「AOR」というCDを知りました [音楽を聴いている]

前の記事でブラジルのMPB代表するシンガー・ソング・ライター、イヴァン・リンスの2015年の新作を紹介しましたが、同じブラジル人ミュージシャンで、つい最近になって聴き、一遍で夢中になったCDがエヂ・モッタ(ED MOTTA 1971年~)が2013年に発表した、その名もズバリ「AOR」です。

DISK UNIONのHPでは、このCDを「100%アダルト・オリエンテッド・ロックな2013年版GRP的サウンド」と評していましたが、その通りの非常に良質なAORサウンドです。まるでドナルド・フェイゲンの新作かとまで思わせる(声もとても良く似ているのです)ものの、そのポップで明るいサウンドは、まさしく私の好みで、聴いていて本当に心地良いものです。

2015年には続編ともいうべき「Perpetual Gateways」を発表しているとのことで、こちらも是非、聴いてみたいものです。もし80年代のAORサウンドが好きな方でしたら、この「AOR」は必ず好きになるかと思います。是非、一度聴いてみて下さい。


こちらがYoutubeにアップされているエヂ・モッタ「AOR」。こちらはブラジル国内で発売されたポルトガル語によるバージョン(ブラジル国外は英語バージョンが販売された)となります。ジャケットのデザインといい、すべてが計算されています。カッコいいです。

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ちなみにCD「AOR」の裏ジャケはこんな感じです。もう、笑っちゃうしかないですよね。おしゃれです。

(2017年9月29日追記)
その後、「AOR」の次回作となる「Perpetual Gateways」もYoutubeにアップされているのを見つけましたので貼っておきます。こちらもなかなか良いですよ。




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イヴァン・リンスの2015年の新作「アメリカ・ブラジル」を聴きました [音楽を聴いている]

先週から、折に触れてイヴァン・リンス(Ivan Guimarães Lins 1945年~ )の2015年の新作「アメリカ・ブラジル」を聴いています。

私にとってイヴァン・リンスは特別なミュージシャンです。私は1989年に出た、Ivan Linsの世界進出作であった「Love Dance」を聴いて以来、かれこれ30年近く、彼の作品を聴き続けています。彼はMPB(読みはエミペーベー、1960年代後半からのブラジル・ポピュラー・ミュージックの一群を指します)を代表するシンガー・ソング・ライターです。

彼の音楽は、親しみやすく、美しいメロディーラインと、一聴しただけでは気付かないものの、非常に凝った見事なアレンジが特徴です。情感溢れた曲はまさしく日本人好みでして、(私も含め)多くのファンがいて、彼自身もよく来日してライブを行っています。

今回の新作は2015年度ラテン・グラミー賞MPB部門・最優秀アルバムを受賞したとのことです。勿論、この新作で聴ける曲は全て聴きやすくて、とても良質な音楽なのですが、敢えて贅沢な我儘を言わせて貰うと、何回も繰り返して聴きたくなるようなキメ歌に欠ける感じがしました。もし、初めてイヴァン・リンスを聴こうとなさる方には、この新作よりも、昔の作品やベスト集あたりから聴いて頂いた方が、夢中になり具合が変わってくる(かなり増す)かと思います。

少し愁いを含んだイヴァン・リンスの音楽には秋がピッタリですね。私がこのCDを今頃から聴き始めたというのも、そうした気分の現れかもしれません。

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写真はイヴァン・リンス「アメリカ・ブラジル」(CD)


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思わぬ車のトラブルに巻き込まれながらも、なんとかROCK IN JAPAN FESTIVAL 2017に行ってきました [音楽を聴いている]

毎年、国営ひたち海浜公園(茨城県ひたちなか市)にて開催されている「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」には、これまで家内、次女が参加していて、たしか2013、2015、2016年は、私は運転手として(トホホッ…)、会場までの送り迎えをしていました。ところが今年は、なんと家内が家族全員分のチケット(8月11日当日券)を準備、家族全員で行くこととなりました。

正直言って、私はあまり、こうしたロックフェスには興味が無かったのですが、家内がいつも私に運転手役をさせているのは申し訳ないと思ったのと、一回、こうしたフェスの面白さ、素晴らしさを味わってもらいたいとのことで、わざわざ私の分までチケットを(彼女自身のおこずかいで)用意してくれたのです。

当日、車で横浜から国営ひたち海浜公園に向かったのですが、思わぬトラブルに巻き込まれてしまいました。ガソリンが殆ど無くなってきたので途中のPAで給油しようとしたところ、車の給油口のカバーがどうしても開かないのです。私の車の場合は給油口のカバーのロックはドアロックと連動する仕組みとなっています。スマホから車を購入したディーラーにも連絡、相談し、(言われた通り)ロック解除を何度やっても何故か給油口のカバーのロックが連動せず、カバーが開きません。

フェスの時間の関係もあったので、一旦給油はあきらめ、とりあえずフェスの会場まで家族を送り届け、私は一人、このトラブルを解決すべく(ディーラーから教えてもらった)水戸の、メーカーの販売店まで車を走らせることにしました。既に燃料の警告灯は点灯し、ディスプレイには残りの走行可能距離はわずか20kmと表示されています。調べると水戸市内のサービスセンターまでは17km、ぎりぎり間に合いそうですが、着くまでは気が気でなりませんでした。

なんとか水戸市内の販売店に着いてみると、なんと、お店はお盆休みで休業でした。事前に連絡しなかった自分を責めながら絶望的な気分になりながらも(車のディスプレイ上の走行可能距離は既に0km)、近く(300m位先)のガソリンスタンドまで、なんとか車を乗り入れて、ガソリンスタンドのメカニックの方に相談しましたが、やはり対応策がないとのこと。真っ青になりながら車のドアロック解除を何度もやり、必死でカバーを力ずくで開けようと何度も試みたところ、とあるタイミングでカバーが開きました。あの時の嬉しさは、当分忘れることはないでしょう。すぐに満タンまでガソリンを入れ、なんとか当座のトラブルは解決です。

今度は慌てて、国営ひたち海浜公園まで戻り、家内が予約していた専用駐車場に車を止めて、やっと会場へと向かいます。もう既に3時過ぎでしたので、「ももいろクローバーZ」を観ることは叶わず(私以外の家族は最初から観ることができたそうです)、家族と合流し、遅めの昼食をとった後、GlassStageに向かい「Perfume」と「サカナクション」のライブを観ることができました。

当日は天候は曇天で気温は低くかったものの、雨が降らなかったのは幸いでした。私は、フェスならではの独特なライブの雰囲気を初めて知りました。特にサカナクションのライブは、その独特のグルーブ感も相まって、とても素晴らしかったです。娘(次女)も「(サカナクションのライブは)CDで聴くのと全然違って、本当に良かった!!」と感激していましたが、私にとって初めて聴くこのバンドのライブに接しながら、演奏者と観客との一体感から生まれる感動、素晴らしさを存分に味わいました。

家内や娘がフェスに夢中になる理由も、分かったような気がします。ただ、周りを見渡しても、私のような中高年の姿はなく(本当に若い人だらけ...)、もしかしたら私が最年長の参加者だったかもしれません(汗)。それだけに、最初は気恥ずかしかった(自意識過剰ですな)のですが、ライブに参加しているうちに、そんなこともどうでも良くなってきたのは、こうした音楽フェスの素晴らしいところだなと一人納得した次第です。

来年はどうしようかな?
家内に誘われれば、喜んでまた参加してしまいそうな自分がいます。
とても素晴らしい体験をしました(帰りの車の運転はちょっときつかったけど…)。

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横浜駅近くのジャズバーに行ってみました [音楽を聴いている]

先週の火曜日、仕事と社外研修を終えて東京駅から東海道線で横浜駅まで行き、そこから東急東横線に乗りかえて自宅に帰ろうとしたのですが、少し疲れていたせいか、なんとなく飲みたくなってしまい、(これまで行こうと思いながら行っていなかった)横浜駅近くのジャズバーに行ってみることにしました。

横浜駅近くといっても、岡野の交差点に近いところにあるので、駅からは10分程度とそれなりに歩きます。小さな雑居ビルの2階にある、このお店は隠れ家感満載ですね。中はカウンターのみで壁側にはギターが何本か置かれています。お客さんは、この日は常連のミュージシャンや音楽関係者ばかりだったようで、フュージョン系の音楽がかかっていました。

暫く飲んでいると、常連のお客さんたちも帰ってしまい、お店に残ったのは酔いつぶれた一人のお客さんと私だけとなってしまいました。音楽もジャズボーカル(ダイアナ・クラール、シャーデー、ソフィー・ミルマン)にかわり、いかにもジャズバーといった雰囲気になりました。そのまま、また暫く飲んでいると、音楽がヴァイオリンの無伴奏演奏へと変り、(多分、シマノフスキの)小品に続いてバッハの無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第一番がかかりました。思わずマスターに演奏者を尋ねてみると、後藤みどりさんとのこと。ジャズバーでクラシック音楽を聴くのは、蒲田のジャズバー「直立猿人」で、マスターと二人で邦人現代作曲家のオーケストラ曲(作曲者名、作品名共に忘れてしまいました。もしかしたら柴田南雄の「追分節考」だったような気もするのですが・・・)を聴いた時以来です。次にパガニーニの24のカプリース(こちらも多分、演奏は後藤みどりさん)がかかりました。この曲集を聴くのは一体何年ぶりなのでしょう。10年ほど前に次女がヴァイオリンを本格的に習っていたころ、この曲集から何曲かを練習したことがあり、その時に、CDを良く聴いた記憶がありますが、最近はまったく聴いていませんでした。

マスターに訊いてみると、特にジャズだけに拘っている訳ではなく、その時の気分で自分の好きな曲をかけているとのこと。いやあ、なかなか面白いバーです。私は、いつもは横浜駅経由では帰らないのですが、機会を見つけてまた訪れてみようと思います。このジャズバーでハイボールを飲みながら、バッハとパガニーニをしっかりと聴いたのは、私にとって久々の刺激的な音楽体験となりました。

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写真は「BAR Le Jazz」の店内の様子。この写真はHP「横浜バーマップ」(http://www.yokohama-barmap.net/)に掲載されているものです。


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マリラ・ジョナスのCDボックスセットを聴いてみました [音楽を聴いている]

6月末にモントリオールに出張中にマリラ・ジョナス(Maryla Jonas 1911~1959年)のCDボックスセットが発売されたことを書きましたが(その時の記事はこちら→http://syoso-chunen.blog.so-net.ne.jp/2017-06-29、8月上旬にやっと入手、機会ある毎に聴いています。私は彼女の録音はすべてアナログ盤で入手して既に何度も聴いているのですが、こうして気軽にCDで、スクラッチノイズなく楽しめるようになり、感激もひとしおです。

私は彼女の演奏に、訳もなく惹かれてしまいます。気がつくといつの間にか夢中になって聴いている自分がいます。彼女の演奏の何が、私をここまで惹きつけるのかは分かりませんが、多分、テンポとその微妙なゆらぎに秘密が隠されているのではと思います。とはいえ、一旦聴き始めると、見事に心を掴まれてしまい、そんなことはどうでも良くなってしまいます。

本当に大好きです、というか愛してやみません。特にショパンのマズルカ、ノクターン、シューベルトのアンプロンプチュの演奏は最高ですね。他にまだ彼女の録音が遺されていて、今後発掘されることを願うばかりです。真の天才とは彼女のことをいうのでしょう。このCDボックスは私が今、一番大切にしている宝物です。まだ聴いたことがないのでしたら、是非、一度聴いてみてください。絶対後悔しない事を約束します。

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こちらが「The Maryla Jonas Story - Her Complete Piano Recordings Box set」。中のライナーノーツやオリジナルLPジャケットを忠実に再現したCDジャケットもとても素晴らしいものです。


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ここ最近はヴァイスのリュート作品をよく聴いています [音楽を聴いている]

先月にも佐藤豊彦(1943年~)による「ヴァイス作品集」(CD)を紹介しましたが(その時の記事はこちら→http://syoso-chunen.blog.so-net.ne.jp/2017-06-23-1、今回はカナダ人のリュート奏者、ミシェル・カルダン(Michel Cardin)による「ロンドン手稿譜によるヴァイス・リュート作品全集」を紹介したいと思います。

ヴァイス(Sylvius Leopold Weiss 1687~1750年)は私が大好きなドイツ後期バロック音楽の作曲家・リュート奏者です。彼の作曲した600曲ほどの作品の殆どはリュートのためのソナタや組曲、舞曲でして、その作品数の多さとその豊かな音楽性から、歴史上、最高のリュート作曲家と言ってよいかと思います。皆さんご存知かとは思いますが、リュートという楽器は18世紀の後半以降、急速に廃れてしまいます。それは市民社会が台頭し、多くの中産階級がコンサートホールといった広い場所で音楽を楽しむようになる中、リュートの音量が小さかったためではないかと思われます。とはいえリュートの繊細かつ典雅な音色はとても魅力的で、私はフランス、ドイツのリュート曲を特に好んで聴きます。特に、暑い日などにリュート曲を聴くと、気分が落ち着き、まるで心地良いそよ風が部屋の中に入ってきたかのような気持ちになります。

このMichel Cardinによるヴァイス・リュート作品全集はCD12枚組で、珍しいリュートとトラベルソのデュエット曲も収録されています。私はかつてはNAXOSから出ていたロバート・バート(Robert Barto 1950年~)による演奏、そして最近はホプキンソン・スミス(Hopkinson Smith 1946年~)やホセ・ミゲル・モレーノ(José Miguel Moreno 1955年~)、佐藤豊彦の演奏でヴァイスのリュート曲を楽しんできました。今回の演奏はロンドン手稿譜の全集ということで、もちろんこれでヴァイスの作品の全てが聴ける訳ではありませんが、それでもこれだけ纏まった形で聴くことができることはとても嬉しいことです。ミシェル・カルダンの演奏も品格のある落ち着いたもので、録音も良く、じっくりと、メランコリーに満ちた精神性の高い、内省的なヴァイスの音楽を堪能することができます。

Amazonですと、このCDボックスセット12枚組を4,280円(2017年7月12日現在)、一枚360円足らずの値段で入手することができます。私はこの全集を聴きながら、これからの暑い夏を涼しく過ごそうとと考えています。CPの高さを考えても、このCDセットは本当にお勧めですよ。

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写真はミシェル・カルダンによる「S. L. WEISS THE COMPLETE LONDON MANUS Original recording remastered, Box set」。ミシェル・カルダンは先ほど私が出張で訪れたカナダ、モントリオールの出身です。


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マリラ・ジョナスのCDボックスセットが発売されました [音楽を聴いている]

今週はカナダ、モントリオールに出張しているので、本来でしたらモントリオールの話題を記事にすべきところなのですが、ご容赦ください。というのも、今日、何気なく出張先のオフィスで、仕事の合間にネットを見ていたところ、これまで、何回もブログで記事にした、私がもっとも好きなポーランド出身の女性ピアニスト、マリラ・ジョナス(Maryla Jonas 1911~1959年)の全ての録音を収めたCDボックスセットが発売された事を知ったからです。これは私にとっては、十年に一度あるかどうか位の大ニュースです。

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こちらが今回発売された「The Maryla Jonas Story - Her Complete Piano Recordings Box set」

なんだか夢を見ているようです。マリラ・ジョナスは殆ど知られていないピアニストで、彼女を録音を収めたCDはこれまでPearlから出た一枚だけ、それも現在はとても入手が困難となっています。私はこれまでE-bayで、こつこつ彼女のSP、LPを集めていたのですが、今回、こんな形で発売されるなんて、とても信じられません。

前にも書きましたが、彼女の演奏は軽く聞き流すことができるようなものではなく、魂の深いところから、音楽が湧き出ている上、なんともいえない澄み切った抒情感のようなものも感じられるものです。時空を歪めさせるというか、「時間」の感覚をなくさせるような、そんな不思議な魅力が、彼女の演奏にはあります。その秘密は彼女のテンポの設定と、そのゆらぎにあると思うのですが、一度、聴き始めると、そんな屁理屈なんてどうでもよくなって、彼女の演奏にただただ魅せられてしまいます。

彼女の48年の短い生涯はまさに波乱にとんだものです。TowerRecords Onlineにおける紹介文を以下、引用しますと、

マリラ・ジョナスは、1911年5月、ワルシャワに生まれました。天才的才能を持ったピアニストとして、ジョナスは9歳の時ワルシャワでデビューし、パデレフスキの生徒となりました。彼女は1922年に国際ショパン賞を、翌年にはウィーンのベートーヴェン賞を受賞し、1926年からは全ヨーロッパでリサイタルを開くようになりました。しかし1939年、ナチス・ドイツのポーランド侵攻によって、演奏活動の中断を余儀なくされ、彼女は強制収容所に収監。数週間後、彼女は自分の演奏を聴いたことがあるドイツ人高官の手助けを得て脱走、徒歩で数か月かけてベルリンのブラジル大使館まで325マイルを逃亡。これは後に「奇跡」と伝えられています。そこから、ジョナスはリスボン経由でリオデジャネイロへ亡命しました。肉体的・精神的に疲弊したジョナスは演奏活動をやめ、何カ月もサナトリウムで過ごします。夫、両親、兄弟がナチスに殺されたこともその状況に拍車をかけました。しかし同郷のアルトゥール・ルービンシュタインがジョナスにピアノ演奏への復帰を促したと言われ、1946年2月25日、ニューヨーク、カーネギー・ホールでアメリカ・デビューして成功を収め、ピアニストとして復活したのです。その見事な演奏は、特にニューヨーク・タイムズ紙のオリン・ダウンズや、作曲家でニューヨーク・ヘラルド・トリビューン紙のヴァージル・トムソンといった名うての評論家たちを夢中にさせたのでした。 その約5年後、ジョナスはシューマン「謝肉祭」を演奏中に体調を崩し、舞台袖に戻ったところで倒れました。すぐに回復し、ステージに戻ったジョナスは予定された演目を弾き終えましたが、再び演奏活動から離れ、結局1956年12月のカーネギー・ホールでのリサイタルが、最後の演奏となりました。1959年7月3日、ジョナスは極めて稀な血液の病気で48歳の生涯を閉じました。
(以上、TowerRecords Online HP「注目アイテム紹介」http://tower.jp/article/feature_item/2017/06/23/1106掲載の文章からの引用です)

というものです。

このCDボックスセットを一人でも多くの方に聞いてもらいたいと思います。海外では既に発売されていますが、日本のTowerRecords Onlineの発売予定日は8月4日。CD4枚組で2,216円(2017年6月29日現在)という安さです。収録曲は以下の通り、私の知る限りの、彼女の全ての録音が収められています。さっそく注文したのですが、届くのが本当に楽しみです。

ディスク:1
1. マズルカ 変ロ長調Op. posth. no. 2
2. マズルカ 第49番 ヘ短調Op.68 - 4
3. マズルカ 第43番 ト短調Op.67 - 2
4. マズルカ 第19番 ロ短調Op.30 - 2
5. 夜想曲 ホ短調Op.72 - 1
6. 夜想曲 嬰ハ短調Op. posth
7. ワルツ 第11番 変ト長調Op.70 - 1
8. ワルツ 第13番 変ニ長調Op.70 - 3
9. ワルツ 第9番 変ロ長調Op.71 - 2
10. マズルカ 第48番 ヘ長調Op.68 - 3
11. マズルカ ト長調Op. posth. no. 3
12. マズルカ 第35番 ハ短調Op.56 - 3
13. マズルカ 第27番 ホ短調Op.41 - 2
14. マズルカ 第29番 変イ長調Op.41 - 4
15. マズルカ 第18番 ハ短調Op.30 - 1
16. マズルカ 第16番 変イ長調Op.24 - 3
17. マズルカ 第50番 イ短調「ノートル・タン」Op. posth
18. マズルカ 第21番 嬰ハ短調Op.30 - 4

ディスク:2
1. マズルカ 第11番 ホ短調Op.17 - 2
2. マズルカ 第14番 ト短調Op.24 - 1
3. マズルカ 第13番 イ短調Op.17 - 4
4. マズルカ 第12番 変イ長調Op.17 - 4
5. マズルカ 第36番 イ短調Op.59 - 1
6. マズルカ 第22番 嬰ト短調Op.33 - 1
7. マズルカ 第45番 イ短調Op.67 - 4
8. マズルカ 第41番 嬰ハ短調Op.63 - 3
9. マズルカ 第9番 ハ長調Op.7 - 5
10. 夜想曲 第2番 変ホ長調Op.9 - 2
11. 夜想曲 第9番 ロ長調Op.32 - 1
12. 夜想曲 第6番 ト短調Op.15 - 3
13. 夜想曲 第1番 変ロ短調Op.9 - 1
14. 夜想曲 第15番 ヘ短調Op.55 - 1

ディスク:3
1. ポロネーズ 第1番 嬰ハ短調Op.26 - 1
2. 練習曲 第6番 変ホ短調Op.10 - 6
3. 練習曲 第2番 ヘ短調Op.25 - 2
4. ワルツ 第10番 ロ短調Op.69 - 2
5. 子守歌 変ニ長調Op.57
6. 即興曲 第1番 変イ長調Op.29
7. ワルツ 第7番 嬰ハ短調Op.64 - 2

ディスク:4
1. ヘンデル:『組曲 ト短調 HWV.432』より パッサカリア
2. ドゥシーク(ドゥセック):コンソレーション Op.62
3. J.W.バッハ:カプリッチョ ニ短調
4. モーツァルト:『ピアノ・ソナタ第9番イ長調K.311』より 「トルコ行進曲」
5. シューベルト(リスト編):セレナード S.560
6. ヴァージル・トムソン:『10の練習曲』より「For the Weaker Fingers "Music Box Lullaby"」
7. メンデルスゾーン:無言歌第5巻第1曲ト長調Op.62 - 1「5月のそよ風」
8. メンデルスゾーン:無言歌第8巻第4曲ト短調Op.102 - 4
9. ニコラウス:オルゴール
10. カゼッラ:『子どものための11の小品』より「ボレロ」「ギャロップ」
11. ロッシ:アンダンティーノ ト長調
12. ラモー:『新クラヴサン組曲集』より 「メヌエット ト長調 と ト短調」
13. シューベルト:即興曲 第4番D.899 - 3
(TowerRecords Onlineでは「D.899-4」となっていますが、これは誤りです)
14. シューベルト:『36の独創的舞曲D.365』と『34の感傷的なワルツD.779』より抜粋
15. シューマン:子供の情景 Op.15


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日本人のバロック・リュート奏者である佐藤豊彦の「ヴァイス作品集」を聴いてみました [音楽を聴いている]

以前、お茶の水・神保町にある中古CD・レコードショップを訪れ、三枚の中古CDを購入したことを書きましたが(その時の記事はこちら→http://syoso-chunen.blog.so-net.ne.jp/2017-06-21、今回はそのうちの一枚、佐藤豊彦(1943年~)による「ヴァイス作品集」を紹介したいと思います。

このCDは1979年にオランダで録音され、LP三枚組の形で発表された「ヴァイス作品集」の中から佐藤豊彦自身がCD一枚の形で選曲したものです。ヴァイス(Silvius Leopold Wess 1686~1750年)は私の大好きなドイツ後期バロック音楽の作曲家・リュート奏者です。彼の作曲した600曲ほどの作品の殆どはリュートのためのソナタや組曲、舞曲でして、その作品数の多さとそのメランコリーに満ちた類まれな音楽性から、歴史上、最高のリュート作曲家と言ってよいかと思います。

このCDには組曲が三曲とトンボー(故人を追悼する器楽曲)、幻想曲、シャコンヌがそれぞれ一曲づつ収められています。いずれも、佐藤豊彦の、明快かつしっかりとした演奏も相まって、素晴らしいものとなっています(実は最初はピンとこなかったのですが、何回も聴いているうちに素晴らしいと思えるようになってきました)。こうなると、このCDに収められなかった、他のヴァイスの曲の録音も聴いてみたいのですが、どうも入手は困難なようです。

リュート曲初めとするバロック音楽については何と言っても演奏者の解釈によって、曲の印象ががらりと変わることが多いかと思います。これからも色々な奏者の演奏でヴァイスの音楽を楽しんでみようと思った次第です。

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佐藤豊彦「ヴァイス作品集」(CD)


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